Japanese
English
症例
Rudimentary outlet chamberを伴つた単心室—僧帽辯閉鎖,心房中隔欠損,大血管矯正転位及び冠動脈起始異常を伴つた1例
Single ventricle with a rudimentary outlet chamber:mitral atresia, atrial septal defect, corrected transposition, and anomalous origin of coronary ateries.
古田 昭一
1
,
三枝 正裕
1
Shoichi FURUTA
1
,
Masahiro SAIGUSA
1
1東京大学医学部木本外科教室
1Department of Surgery, Tokyo University School of Medicine
pp.185-192
発行日 1957年3月15日
Published Date 1957/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200476
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著者等の経験例は単心室にRudimentary outlet chamber,僧帽弁閉鎖,矯正位大血管転位を伴つたと考えられる例で,今回はこれら畸型のうち,僧帽弁閉鎖を中心に相互の関係を検討したいと思う。Abbott1)は1,000例の先天性心疾患の統計的観察で5例の僧帽弁閉鎖例を見ているが,Broc—kman2)(1950)は文献上48例を集め,これらのうち自己の1例を加えた42例につき統計的に検討している。Large3)(1950)は2例を報告し,それぞれ文献発表順位の33,34例目であるといつている。その後Lam等4)(1953)は肺動脈閉鎖を伴う本症にShunt-operationを施行し,術後14時間で死亡した1例を報告しEdward等5)(1953),Ka—plan等7)(1954)も夫々1例Kjellberg等6)(1955)は3例(1例生存例) Friedman等31)(1955)は3例,佐野等8)(1956)も1例を記載している。本邦では沢田等9)の先天性心疾患150例の観察には1例も含まれていなく,先天性僧帽弁閉鎖は珍らしい心畸型であるといわなければならない。
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