Japanese
English
症例
右肺静脈に心臓カテーテルを挿入し得た症例の検討
Consideration of the Cases in which the Catherters could be induced into the Right Pulmonary Vein.
井上 正
1
,
石川 敬
1
,
正津 晃
1
,
小田 豊
1
,
小沢 博
1
Tadashi Inoue
1
,
Takashi Ishikawa
1
,
Akira Shotsu
1
,
Yutaka Oda
1
,
Hiroshi Ozawa
1
1慶応義塾大学医学部外科教室
1Surgical Department of Medical School, Keio University
pp.818-821
発行日 1957年11月15日
Published Date 1957/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200556
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先天性心疾患の診断に際して,心臓カテーテル法が極めて有力な手段であることは,現在広く認められている。しかし時には心臓カテーテル検査で得られた成績の解釈に際して非常に困惑させられる場合に遭遇する。われわれも最近そのような症例を続けて経験したのでこれを報告し,諸家の御参考に供するとともに,御教示にあづかりたいと考える次第である。
大伏在静脈より心臓カテーテル(以下心カテと略す)を挿入した時は,心房中隔欠損症,又は卵円孔開存症に於いては,心カテの尖端が容易に欠損孔を通過して,左房,左肺静脈に挿入することができる。その際右肺静脈にカテが入つた時には,右房より直接右肺静脈へ(即ち右肺静脈還流異常の合併)入つたものか,或は左房を経由して入つたものかの判定に苦しむことが多い。文献でもかかる場合,早急に還流異常の診断を下してはならないといましめている1)−4)。われわれは最近心カテ検査を行つた心居中隔欠損症11例中の8例と肺動脈狭窄兼卵円孔開存症,アイゼンメンゲル症候群兼心房中隔欠損症の各1例にかかる症例を経験したので各種検査を行つて検討した。
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