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緒言
最近数年間心臓手術の発達は綜合的心肺機能の解明と麻酔学の進歩と相俟つて多数の心臓疾患の手術的治療を可能にした。特に後天性心疾患の中僧帽弁狭窄症に就いてはその手術手技が確立されたと見てよく1)2)我国に於ても手術例数はとみに増加している。同時にバイオプシーに依つてこれらの患者の心臓,肺臓の器質的変化を研究する好機会に恵まれて来た。特に僧帽弁狭窄症についてその心臓バイオプシーにより潜在性のRheuma—tic activityを検索することが行われている3)4)5)6)7)8)。勿論急性のリウマチ性心炎の存するものは外科的治療の禁忌であるが,手術された僧帽弁狭窄症の心臓にリウマチ性変化をもつているかいないかを,Aschoff氏結節の出現を中心として病理組織学的検索を行うことは意義あることと考えられる。
リウマチと心臓疾患については美甘等9),堂野前等10),White11)の統計的報告があり,心臓のリウマチと関節リウマチに関しては大高12)の報告があるが,心臓バイオプシーについては本邦に於ては木本等13),吉原等14)の報告があるが,末だこの方面の研究発表は極めて少ない。われわれは当教室に於て手術時に採取した左心耳の組織学的検索を行つて本問題を追及して来た。茲に其の成績を発表する。
Pathohistologic examination of the biopsy specimens of left atrial appendages was performed upon 82 patients suffering from mitral stenosis.
Most significant change was seen in the endocardium.
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