巻頭言
病気の治し方
貝田 勝美
1
1九州大学医学部
pp.751
発行日 1957年11月15日
Published Date 1957/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200549
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アメリカのフィラデルフィアにある世界的に有名なHenry Phipps結核研究所の現所長であるJulius Lane Wilson教授が本年7月のThe Medical Clinics of North Americaの中で医学の思出について原稿を寄せている。Wilson博士は現在Henry Phipps研究所の所長であると共にペンシルバニア大学の教授もかねており,アメリカ・トルードウ協会の医学教育部のdirectorでもある。又米国ベテランス・アドミニストレイション並びに公衆衛生局の顧問でもある。私が日本から持参した自作の映画をN・T・Aのスタッフ・コンファレンスで共覧した時からの知り合いであつて,後程フイラデルフィアに同氏を訪ねた時,色々と結核についての意見を交換し,又有名な研究所をも案内してもらう機会をもつた。
その経歴が示す様に教授は米国きつての結核臨床家の1人である。その生涯を歩いてきた結核治療の経験の中で,全く未開であつた結核治療の時代からサナトリウム療法に始まる黎明期,更に1920年から1950年までの虚脱療法の黄金時代,その後に引続いた輝かしい結核の化学療法と外科的療法の治療の革命期を眺めて,彼はサナトリウム時代はやがて間もなく終るだろうと述べている。
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