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講座
臨床心音図学・5—臨床篇3.先天性心疾患の心音図
Clinical Phonocardiography: Phonocardiogram of Congenital Heart Disease
上田 英雄
1
,
吉村 正蔵
1
,
海渡 五郎
1
Hideo Ueda
1
,
Shozo Yoshimura
1
,
Goro Kaito
1
1東京慈恵会医科大学第一内科学教室
1Tokyo Jikei-kai School of Medicine
pp.671-685
発行日 1957年10月15日
Published Date 1957/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200539
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先天性心疾患の心音図
先天性心疾患の診断に聴診或いは心音図は極めて重要である。実地臨床に於て,心愁訴あるものは勿論であるが心愁訴のないものでも心疾患を発見されるのは大部分医師による心雑音の発見に始まる。
先天性心疾患の心雑音は一般的に言つて,最強点の存在部位に特有なものが多く,また雑音が比較的大で粗い感じのするものが多い。心音図で言えば低音心音図,高音心音図何れにも相当の振巾で記録され易い。しかし所謂雑音の形は心音計の特性によつて著しく異つて記録され必ずしも成書に見る様な形を示すとは限らない。先天性心疾患の確実な診断には静脈カテーテル法,血管心臓造影法を必要とする事が多いが,患者に負担をかけない検査法としては心音図を主とし,血圧,X線写真,心電図,その他を参老として動脈管開存症,大動脈縮窄,大動脈弁口狭窄の大部分,心房中隔欠損,心室中隔欠損,肺動脈狭窄の相当部分のものが診断出来る。
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