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講座
臨床心音図学・4—臨床篇2 「心雑音」
Clinical Phonocardiography--Cardiac Murmur
上田 英雄
1
,
吉村 正蔵
1
,
海渡 五郎
1
Hideo Ueda
1
,
Shozo Yoshimura
1
,
Goro Kaito
1
1慈恵会医大上田内科
1The Ⅰst Department of Internal Medicine, Tokyo Jikei-Medical College
pp.599-613
発行日 1957年9月15日
Published Date 1957/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200529
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Ⅳ.心雑音1),2),3),4),5)
A.心雑音の基礎1),2),3)
心臓の聴診で聴きうる音を臨床的には,大きく心音と心雑音とに分けるが,音響学的には,何れも種々の周波数の不規則な混合で,共に雑音である。たゞ心音は持続時間が0.1秒以内の短い振動で,或る種の過剰音を除けば生理的に存在するものである。
これに反し,心雑音は持続時間が長く,器質的のものは当然であるが機能的と称するものでも,常に存在するとは限らない。不純心音は,心音の持続時間が多少延長したものである。心雑音は一般に心血管系の血流動態の異常の結果,心臓内或いは血管内で生ずる血液の渦流によることが多いが,一部は楽音様雑音の様に腱索等の振動によるとされるものもある。
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