先天性心疾患の心音図

Phonocardiographic Studies in Congenital Heart Diseases.

　複雑な先天性心疾患の聴診所見の客観的な表現としての心音図法は聴診の主観的な差異と生理学的な制約とより離脱した点に価値があるが，特に心臓外科領域での本法はその形態と動態とより対比せしめ得る点また術後動態の変化とともに著しく改変される点等を考察することにより心雑音発生の本質にも触れ得ることは興味あることである。

　先天性心疾患の心音図法には未解決の問題が山積している現状ではあるが，第24回日本循環器学会総会でその一端につき報告する機会を持つたのでその要旨を述べたいと思う。