Japanese
English
方法と装置
超毛細管電極法の方法と装置—特に臨牀家が心筋線維に応用する場合の注意
The Method and Apparatus of the Capillary Ultramicroelectrode
佐野 豊美
1
Toyomi Sano
1
1東京医科歯科大学
1Clinical Physiology, Tokyo Medical and Dental University
pp.239-246
発行日 1957年4月15日
Published Date 1957/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200484
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Ⅰ.まえがき
超毛細管電極法あるいは超微小電極法とよばれるものの方法については本学勝木教授1-3)および同教室渡辺氏4)の詳説など幾つか既にある。それらには行届いた説明が加えられてあり,私共は大綱は同じ方法に従つているのであるから,同じ事を反覆するほか何等加えることがないようにも思われる。しかもなお私がその方法について一文を草するよう求められるとは特に臨牀家が本法を心筋線維に応用する場合の注意を求められるものと考えられる。私どもの教室に本法につき質問ないし見学に来られた方のなかで「勝木教授が同法について詳説されてはいるが,何故あのような複雑な装置が必要なのかわからない」と云われた方が何人か居られた。私から見れば同教授はその点よく詳説されていると思うが,生理学者にとつては自明のことも臨牀家にとつては必ずしも明かでないこと,あるいは一層の強調を必要とすることもあろう。以上のことを頭に置きつつ本法の説明を試みることにする。
臨牀家の畑から本法の世界に飛びこんだ私が痛感することは臨牀家が本法を応用する際最も重要なことは方法の区々の点ではなくして寧ろ心構えにあると思う。本法は勝木教授を始めとして何人もの生理学者が当初は何度止めようかと思つたかも知れないと洩らされているごとく,生理学の畑においても困難な技術の方に属するのである。
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