症例
胃癌に伴つたBowen病
大貫 寿衛
1
,
河村 潤之輔
1
1済生会中央病院・内科
pp.1647-1650
発行日 1967年11月10日
Published Date 1967/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202003
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最近内臓悪性腫瘍と皮膚病変との関係が注目されるようになつた。この問題についてBluefarbはつぎの〈11のP〉という表現でわれわれの注意を促している。すなわち,①Pallor 蒼白,②Pruritus 掻痒症(Urticaria じんま疹),③Prurigo-like papules 痒丘疹,④Pyoderma 膿皮症,⑤Pigmentation of cliverse type 異なつた型の色素沈着(Acanthosis nigricans 棘状の黒変),⑥Pemphigoidor bullous lesions 膿痂疹あるいは水疱性病変,⑦Pityriasis rubra or exfoliative dermatitis 粃糖疹様発赤,剥落性皮膚炎,⑧Posterior ganglionitis or Herper zoster 後側神経節炎あるいは帯状疱疹,⑨Purpura 紫斑,Petechiae 点状出血,⑩Poikilodermatomyositis 多形皮膚筋炎,⑪Phlebitis 静脈炎が出現する可能性があると指摘した。これらより内臓悪性腫瘍と皮膚病変との結びつきは多様性であり,またある点では偶発的発生も考えにいれなくてはならない。
われわれは吐血を主訴として人院した患者にBowen病と胃がんを併発した1例を経験し,さきに昭和39年10月「皮膚科の臨床」に誌上発表したが,ふたたびこれを抄録してみたいと思う。
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