巻頭言
相関性
佐々 貫之
1
1関東逓信病院
pp.767
発行日 1956年11月15日
Published Date 1956/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200428
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紹介されたり又は何かの機会に相まみえる人がそれまで全く知らない他人であるとしか思わなかつたのに,少しく話をしている中に,第三者を通ずれば,決して無関係ではなかつた,しかも可なり密接ないろいろな関係のあつたということは,日常屡々経験するところである。これをもつと広く一般世間の人でも,少しく深入りして関係を調査して見るならば,何かのつながりのないということはあるまい。
人はよく夢を見る。その夢は日頃心配しているか又は気にしているか,或いは度々身の周りに見ること乃至はそれに関連しているのが常である。しかし往々にしてそれ迄一度も考えたことがなければ,また一度も遭遇したことのない突然なことを夢に見て,不思議でならないことがある。しかしそれもよくよく調べて見れば,決してそうではない。どこかで知らない中に自験していたことか,または身辺にある何かの出来事に関係していることが判るものである。
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