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講座
血液pH測定法と欧米の硝子電極・Ⅱ
pH Determination of Blood and Glass Electrodes
吉村 寿人
1
Hisato YOSHIMURA
1
1京都府立医科大学
1Department of Physiology Kyoto Prefectural Medical College
pp.469-472
発行日 1956年6月15日
Published Date 1956/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200379
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3.欧米の硝子電極研究者のプロフイール
硝子電極応用の発展の歴史に於いてKerridgeに次いで大きな功績を残したのはMacInnes15)である。彼は1930年に硝子電極用特殊硝子の創製に始めて成功し且各種の生物学用電極を提供して今日の硝子電極の大発展の基をつくつたのである。筆者が彼をNew YorkのRockefeller医学研究所に訪ねたのは一昨年の1月の終り頃の大へん寒い日であつた。Rockefeller研究所は1901にJohn Rockefellerによつて創設せられた赤レンガ5階造りの旧型のビルヂングであつて,EastRiverに沿ひ冬枯れの木立にかこまれて立つていた。ここには附属病院もあるが,これは多くは慢性の研究用患者を収容している。MacInnesはもう70才近い小柄の品の良い白髪の老人であつて,今だに実験室に入つて電解質のFaraday cons—tantを測定していたのには何か神々しいものさえ感ぜられた。彼の室は2階にあり,弟子のLongs—worthの室の隣である。Longsworthは拡散現象の研究で名の知られた人であり又大へん親切な良い人である。又1階にはShedlovskyもいて相界電位差のProton jump theoryの立証に熱を上げていた。何れも一人づつのTechnicianを相手に自分で実験し,自分で論文を書くと言う気楽さである。
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