技術解説
pHの測定法(Ⅱ)
山賀 礼一
1
1東京医科歯科大学理工学教室
pp.359-361
発行日 1957年9月15日
Published Date 1957/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905382
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2.緩衝作用と緩衝液
ある溶液に強酸または強アルカリを加えたとき,その溶液のpHが大きく変化する場合にはその溶液の緩衝作用は弱いといい,pHの変化が少いときには緩衝作用が強いという。溶液の緩衝作用が強いかどうかは,これを取り扱うものが常に注意しなければならない重要な事柄である。
たとえば,同じpH3の塩酸と醋酸とを比較してみると両者のmol濃度はおのおの0.001および約0.5molである。これらの溶液それぞれ1lを苛性ソーダの0.001mol/lの溶液で中和するためには,前者はこの苛性ソーダ1lを必要とし,後者は500lを必要とする。すなわち同じpH3の溶液であつても,醋酸溶液の方が塩酸溶液よりも強アルカリに対して緩衝作用が500倍も強いことがわかる。
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