Japanese
English
診療指針
Strospesideの臨牀効果について
Clinical effects of Strospeside
小野 一男
1
,
成島 忠勝
1
I. ONO
1
,
T. NARISHIMA
1
1岩手医科大学内科
1Internal Medlcine, Iwate Medical College
pp.473-477
発行日 1956年6月15日
Published Date 1956/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200380
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
近年ジギタリス有効成分が化学的に純粋に単離されるに至つた為,この分離された単一配糖体は従来難点とされた生物学的単位を離れてmg単位で正確に表価する事が出来,臨牀的にもジギタリス飽和や維持療法の複雑性が相当緩和されるに至つて居る。現在迄抽出された強心配糖体の数は80種以上といわれるが,実際臨牀的に応用されて居るのは,ジギトキシン,ジゴキシン(及びアセチールジゴキシン),ラナトサイドC,ギトキシゲニン,ギタリン(ジギトキシンとギトキシンの混合物ともいわれる)等に過ぎない。
StrospesideはT. Reichstein (1952)がSt—rophanthus Speciosusから単離して命名発表したものであるが,1953年塩野義研究所に於いても佐藤等がDigitahs Purpureaからも分離した水溶性配糖体である。このStrospesideの臨牀効果については先に堂野前内科からの報告があつてその有効性を述べて居るが,未だ吟味すべき余地が少くない様に思われて居つた。私等も一昨年から主としてウツ血性心不全患者について本剤の臨牀効果を検討して居るが,その認むべき薬効的価値があるので,未だ吟味不充分ではあるが,私等の2,3の経験を中心として概説することとする。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.