Japanese
English
症例
心臓「カテーテル」の副作用,特に心室細動の一例に就いて
On the Untoward Reactions of Heart catheterization in 82 cases of Heart Diseases.
田口 一美
1
,
河西 正充
1
,
井元 進
1
,
池田 容昂
1
,
多胡 健吾
1
Kazumi TAGUCHI
1
1岡山大学医学部津田外科教室
1Tsuda's Surgical Dept., Okayama University Medical School
pp.452-454
発行日 1956年5月15日
Published Date 1956/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200375
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緒言
近時心臓外科の発展及び心肺機能研究の進歩に伴い,心臓「カテーテル」法の臨床的応用は愈々盛んとなり,既に昨年度第6回呼吸及び循環談話会に於ける我国の総施行数2,300余例に及んでいる。吾々も必臓外科の臨床に関連して心臓「カテーテル」を実施して来たが,巨脾症・肺結核症を除いて,心臓疾患に施行したもの80例がある。最近Eisenmenger氏症候群の一例に於いて心臓「カテーテル」法実施中,心室細動を発生したので,この例に就いて報告すると共に,特に先天性心疾患に於ける副作用に就いて報告する。
従来の報告をみるとアメリカ心カテーテル法委員会の5,691例中死亡4例,我国の2,300余例中死亡13例であるが,これらの殆んどは手技上或は適応上の問題に関係しているのであつて,実際には多くの種類の副作用があるが,致命的となる事は余りない様である。吾々は死亡例はないが,次の症例に述べる様な比較的重症例を経験しているので,生命の危険は起り得るものとして,万全の準備が必要である事を痛感する。
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