Japanese
English
特集 輸血・輸液の諸問題
保存血輸血の経驗と輸血副作用の諸問題
The Experiences of Transfusion of the Preserved Blood and the Problems of Untoward Reaction.
砂田 輝武
1
,
稻田 潔
1
,
田辺 剛造
1
,
中邑 哲郞
1
,
田口 一美
1
,
赤井 功一郞
1
,
小見山 宏
1
,
根岸 康躬
1
,
杉原 博
1
,
田辺 憲一
1
,
津田 鴻太郞
1
,
渡辺 高
1
,
德永 学
1
,
服部 正治郞
1
,
小西 等
1
,
河合 経三
1
,
河西 正充
1
,
小塚 虎治郞
1
,
浅野 隆
1
,
神野 泰
1
Terutake SUNADA
1
,
Kiyoshi INADA
1
,
Gōzō TANABE
1
,
Tetsuro NAKAMURA
1
,
Kazumi TAGUCHI
1
,
Kōichiro AKAI
1
,
Hiroshi KOMIYAMA
1
,
Yasumi NEGISHI
1
,
Hiroshi SUGIHARA
1
,
Kenichi TANABE
1
,
Kōtarō TSUDA
1
,
Takashi WATANABE
1
,
Manabu TOKUNAGA
1
,
Shojiro HATTORI
1
,
Hitoshi KONISHI
1
,
Keizō KAWAI
1
,
Masamitsu KAWANISHI
1
,
Torajiro KOZUKA
1
,
Takashi ASANO
1
,
Yasushi JINNO
1
1岡山大学医学部津田外科
1Tsuda's Surgical Clinic, Okayama University Medical School
pp.397-407
発行日 1953年8月20日
Published Date 1953/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201279
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いとぐち
輸血が実用化されてから既に長くなるけれども,今日程外科医が輸血の重要性についてはつきり認識させられた時代はないと云つても過言ではない.殊にこゝ数年間に明らかにされた外科患者の生理や病理上の知見は輸血の量や適應の範囲を著しく増大し,更に目ざましい手術の進歩は輸血の需要を際限なく拡大しつゝある.津田外科教室に於ける主要疾患に対する1人平均の輸血量を見て(表1),從来の如き新鮮血のみでは到底應じきれない量に達しており,保存血によつて始めてこの需要を充しうるのである.当教室では昭和26年6月以来大阪の日本ブラッドバンクの神戸支社より保存血の供給をうけ.最近の年間輸血量50万cc中90%はこの保存血によつており,本邦の現況ではかなり大量の経驗と思つている.
併し保存血輸血にはその利点の蔭に新鮮血輸血の場合と異つた諸問題を藏していることを看過してはならない.これらに対する認識が充分でないと直ちに副作用の増加となつて現われることは必定である.一体多くの臨床家は從来輸血によつて副作用の発生することは認識していても,その原因や結果については完全な理解が欠けていた感がある.本邦に於ても今後輸血の実施が更に一段と増加するにともない副作用の問題も又重要となつてくることは明らかで,この際我々は保存血輸血に限らず一般輸血による副作用の諸問題により深い関心をもつべきことが痛感される.
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