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診療指針
Gitalinについて
Gitaline
上田 英雄
1
,
口羽 二郞
1
,
阿曽 義明
1
,
吉田 昭
1
,
須藤 節也
1
,
吉田 崇春
1
H. UEDA
1
1慈大上田内科
1Tokyo Jikeikai Medical College
pp.753-756
発行日 1955年12月15日
Published Date 1955/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200309
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ジギタリスの藥理学的及び臨床的研究は近来大いに進歩し,一方においては分析的研究として単一配糖体の分離とその臨床効果の検討が行われ他方においては副作用の少い有効な生藥乃至複合物が探求されている。近来Gitalinが臨床的に注目され始めたのは後者の立場においてであり,美甘教授1)も最近これを取りあげておられる。また我国で見出されたDigicorinに類似する配糖体として石館教授の注目されているものである。著者等2)は2年前に鬱血性心不全数例に使用したことがあるが,これを中心として概説することとする。
Gitalinは1912年Kraftにより分離された無定形物質であり,Digitalis purpureaのみに含まれD. lanataには含まれぬ水溶性有効成分である。従来ドイツではGitalin-Kraftと呼ばれ,他のジギタリス製剤に勝るとされたが,アメリカに於てはVerodigenと呼ばれ他の製剤に比し特に勝れた点がないとされていた。然るに近来アメリカに於ても藥効域の広い中毒を起すことの少い配糖体として注目されるに至つた。
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