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文献抄録
肺気腫における肺内ガス混合の研究/ロイマ熱診の手引としてのJones規準
Duantitative study of in trapulmonary gas mixing in emphysema.
H.S.
pp.742
発行日 1955年12月15日
Published Date 1955/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200307
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肺気腫においては換気が肺全体に平等に行われない。肺は沢山の小区劃に分れていてその1つ1つが各々独自の一定の換気速度をもつ—即ちその1つ1つはホルゲンに混合すると考えられ,1番ゆつくり換気される場所の大きさと換気速度が定量的に示される。これはOpen-circuit法を用い,50%He.50%O2混合気を15分呼吸した後,純O2を吸入させて呼気を持続的にKatharometerで分析して,そのwash-ont curve(濃度・時間曲線)を書く事から簡単に測定できる。このSlow spaceの容量(Vs)と換気量(Vs)に加えて,通常の肺容量・毎分最大呼吸量(M.B.C)等を61人の換気腫患者について調べた。1分間換気量/機能的残気量の比は通常2.0であるが,Vs/Vs比は0.2前後となり,Vs/機能的残気量比は0.5が一番多いので,一般に肺気腫に於て静止位肺容量の半分は,1分間換気量の1/10しか換気をしない1)。即ち大きなslow spaceがあつて殆ど換気にあずからないと云える。
Slow spaceの解剖学的部位は決定されていないが,割合に一定で2ヵ月間も同じ様な価を示した。この部分の血流分布も悪くはなるが換気程に侵されはしない。一方Slow sp—aceの為他の部の換気量はかなり多くなるものゝ,その部の血流分布はそれに伴つて増せない。
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