Japanese
English
講座
心放射図法
Radiocicrulogram or Radiocardiogram
上田 英雄
1
,
井上 十四郞
1
,
井上 義直
1
,
丸山 純男
1
H. UEDA
1
1東京慈恵会医科大学内科学教室
1Tokyo Jikeikai Medical College
pp.737-742
発行日 1955年12月15日
Published Date 1955/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200306
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まえがき
従来循環時間の測定方法として種々藥物を血管内に注射し,他の部に到達するまでの時間を臨床上用いていたが,これは最短循環時間であり,被検者の敏感度や量によつても誤差を生じやすい。又色素法は客観的測定法としてすぐれたものであるが,動脈採血等の負担をかけ,結果の判定にも時間を要する。
しかるに近来,比較的半減期の少い放射性同位元素を使用して,その放射能を身体外部よりガイガー管にとらえ,随意の部位で簡単に循環時間の測定が可能となつた。この方法を始めて循環時間測定に応用したのはBlumgart,Weiss (1927)であるが,彼等は左右の心臓から発する放射能をはつきり区別することが出来なかつた。その後Prin—zmetal,Splitzler1)(1949)は人体に於て記録装置に連結したガイガー計数器を前胸部におき,肘静脈よりNa24を注入し,右心・肺・左心に至る際の放射能を記録し,二つの山からなる曲線をみとめ,これを心放射図(Radiocardiogram)と名ずけた。さらにWaser,Hunzinger2)(1951)は同じくNa24)を使用し身体各部の循環時間を測定して,いわゆるRadiocirculogramの研究を行い,Shipley Clark3)(1953)はl131を使用して,循環時間の測定と共に心放射図曲線の分析を行つている。
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