カンフアレンス
肺性心—アメリカ胸部医師学会日本支部会講演会
笹本 浩
2
Maher
1
1ノース・ウエースタン大学
2慶応大学
pp.703-705
発行日 1955年11月15日
Published Date 1955/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200301
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肺性心(Cor pulmonale)というのは寧ろ稀な病気でありまして,心臓病態生理学という点からも余りよく解つておらない。それから治療も結局奏効いたしません。この病気は又色々な別名を沢山持つております。例えばPulmonary heart disease,Pulmonary hypertension,Pulmonary sclerosis,或はRight ventricular hyper—trophy.或はAyerza氏病という色々の別名があります。それから急性型と慢性型とありますけれども,本日の講演は大体慢性のタイプに限定してお話したいと思います。
この病気を歴史的に見ますと,色々のことが今迄に述べられておりますが,最初の頃は主として病理学的な研究でありまして,山のガイドのような人々について,初めて発見しております。又その以後の経過も主としてpathologicalな点で左心よりも右心の肥大が著明であるということが,次第に解つて参つたのであります。最初Lancisiが1705年に病理的に調べておりますが,その後更にMorgagniという方が同じような所見を報告しております。それから更にCorirsartという方が全身的に偏つた心肥大というようなことで報告されております。その後アイルランドのダブリンに於て,Stokesが矢張同様の報告を出しております。
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