特集 病歴
専門医の病歴
慢性肺性心
笹本 浩
1
1慶大内科
pp.1717-1720
発行日 1967年12月10日
Published Date 1967/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202017
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
僕は,ポリクリなどのとき,学生によくいうのだが,病歴はけつして患者の日記ではない,scientific paper科学論文そのものなのであると。したがつて,ただ,患者がいうがままにだらだら記すなどは論外,適宜,取捨選択して,筋のとおつた短論文をものすつもりで,しかも短時間内に要領よくまとめなければならない。これは,なかなかむずかしい仕事である。それだけに,みごとにとられた病歴からは,50%以上,診断はつけられるといつてよい。
ことに循環系においては,病歴から50%,一般検査(打・聴診,血圧測定など)で,もう25%診断がつく。これに心電図検査をつけ加えると,また20%診断がつき,合計約95%となる。さらに各種の精密検査をすれば99〜99.5%ぐらいは循環器系疾患の診断がつくわけである。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.