Japanese
English
綜説
高血圧の手術療法—特に手術の呼吸,循環器系に及ぼす影響に就て
Extensive Thoracolumbar Sympathectomy with Splanchnicectomy forthe Treatment of Essential Hypertension, Especially its Effects on the Respiratory and Circulatory Systems.
山岸 三木雄
1
,
渡邊 三作
1
,
矢野 林太郞
1
,
林 敬治
1
,
牧志 眞一
1
,
南部 勲
1
,
町田 忠弘
1
,
小俣 照信
1
Mikio Yamagishi
1
1横浜医科大学外科
1Surgical Department, Yokohama University School of Medicine
pp.404-414
発行日 1955年7月15日
Published Date 1955/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200255
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高血圧の手術療法,特に本態性高血圧の手術療法の概要に就ては,最近5月号の綜合医学に於て述べたので,本誌に於ては,主として手術の呼吸及び循環器系に及ぼす影響に就て述べ,同時に従来批判の的となつている手術療法の合理性に対する我々の見解を述べて見たいと思う。
本態性高血圧に対して交感神経切除術が提唱されてから約20年を経過し,その間,欧米に於ては既に数千人の患者が手術され,一方に於ては多くの優秀なる遠隔成績が発表されているかと思えば,他方,手術の非合理性が非難され,或は今尚,実験的段階の治療法であるとなし,その治療効果も猜疑の目を以て見られていることは否定出来ない。従つて,我国に於けるこの面の研究は皆無に等しく,我々が本研究に着手せんとした当初は,不案内のため手術に際して不安の念を禁ずることが出来なかつたが,現今,約40名の患者を手術し,一年以上の経過も観察し,一応その治療効果も確認し得たので,次に記述する次第である。
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