--------------------
正常血圧下手術に就て
兵 昇
1
,
奥田 信一
1
,
内藤 恒雄
1
,
水越 重雄
1
,
水越 治
1
1京都府立医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.557-560
発行日 1954年12月20日
Published Date 1954/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201226
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
我々が今まで行つている手術法では,先に耳鼻咽喉科第26巻3号32頁に発表した如く術前後,に特術着手後血圧は上昇する。即ち出血量500gr以下のものでは血圧は上昇したまゝ術終了及び術後までつゞくが,出血多量の上顎手術の樣なものでは1000 gr出血の頃より血圧は下降するが,それまではやはり血圧は正常値より高い。術開始直後は通常30〜50mm Hgの血圧上昇を来すもので,いわば高血圧下手術とでも名つくべきものである。従つて出血し易い,血管,或は心臓更に脳手術の際には非常に困難或は不可能の事がある。
故に最近はこれ等の手術を可能に,或は手術操作を容易にし,又出血を可及的少くし,更に出血による二次的シヨツクを予防し且つ諸種反射を抑制するために1950年英国のHale Enderbyは低血圧下手術を提唱し大手術に好成績を挙げている。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.