増大号 極める!呼吸機能検査 患者を診る力が成功のカギ
3章 スパイログラムと患者状態から読み解く失敗例とその対応(肺活量測定)
肺活量測定の基本
田邊 晃子
1
1慶應義塾大学病院臨床検査技術室臨床検査科
キーワード:
肺活量
,
VC
,
吸気・呼気肺活量(標準法)
,
妥当性・再現性・採択基準
Keyword:
肺活量
,
VC
,
吸気・呼気肺活量(標準法)
,
妥当性・再現性・採択基準
pp.146-152
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530020146
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はじめに
肺活量(vital capacity:VC)の測定は1846年にJohn Hutchinson1)の肺活量測定に始まったことが知られている.彼は,最大吸気から最大呼気までの呼出した量を生命(vital)の容量(capacity)という意味でVCと命名した.VC測定の吸気・呼気は,ゆっくりした動作で測定することになっているため,SVC(slow vital capacity)とも呼ばれている.呼吸機能検査を実施するにあたって初めに検査する基本項目であり,努力肺活量(forced vital capacity:FVC)と同様にスクリーニングとして検査が行われている.
近年は,呼吸機能検査装置が優れており,誰もが簡単な操作で測定可能となっている.しかし,VC測定であっても被検者の努力を必要とし,その理解と協力が不可欠である.被検者に負担をかけずに,正確で最良の検査結果を引き出すためには,検査説明,誘導の方法,アーチファクト,結果解釈を正しく理解して検査に臨む必要がある.
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2028年2月29日まで)。
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