Japanese
English
方法と装置
Rotameterによる冠血流量測定法について
Measurement of coronary blood flow by the Rotameter,
卜部 美代志
1
,
穴沢 雄作
1
,
水野 明
1
Miyoshi URABE
1
1東京大学医学部木本外科
1Department of Surgery, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.221-229
発行日 1954年7月15日
Published Date 1954/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200164
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Ⅰ.あらまし
循環生理学の一研究分野として,臟器循環の実体を把握することは,近時急速に必要性を増してきた。外科領域に於いても,屡々遭遇するショツクの対策及び治療に当つて,臟器循環状態の観察は重要事項である。また近時人為的低血圧及び低体温も外科の研究分野に導入され,心血流遮断及び完全体外循環等も試みられるに至つている。このような場合に,生命に最も枢要な脳及び冠循環の実体を解明する事は,現在非常に必要であると云える。私達はかかる見地から従来,外科に於ける肺,脳及び冠循環等の臟器循環の病態生理について検索を進めて来たが,ここにRotameterによる左総冠動脈流入血液量の持続的記録法に成功したので,其の装置,方法及び二三の成績について記述する。
冠血流量測定法としては,古来種々な方法が行われて来た。1899, Langendorfは猫の摘出心について,灌流圧を記録することにより心筋を通る血流を推定し16)た。
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