Japanese
English
方法と装置
肺循環の藥理実験法
Methods of Pharmacological experiment on the pulmonary circulation.
貫 文三郞
1
Bunzaburo NUKI
1
1九州大学医学部藥理学教室
1Department of Pharmacology, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.230-239
発行日 1954年7月15日
Published Date 1954/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200165
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緒言
肺循環は肺血管の緊張変化によりて左右されるが,しかし肺血管に血液を循環させるものは心臓であり,循環するものは血液である。従つて肺血管の緊張変化以外に心臟機能,循環血量が強く影響する。しかしながら心臟機能や血量に変化が起れば,全身循環に変化が起り,単なる肺循環の問題ではなくなる。従つて肺循環に於ては肺血管の緊張変化が主要なる問題であり,肺循環の藥理は肺血管に対する作用の闡明にある。
肺血管の緊張変化は全身血圧測定によりて血管緊張変化を窺知すると同様にLudwig (1852)以来肺動脈圧測定によりて検されておるが,しかし肺動脈圧は肺血管の緊張変化のみによつて変化するものではなく,心臟機能,血量変化によりて強い影響をうける。従つて生体実験ではその中のどの要素が関係していかを知ることは出来ない。更に肺動脈圧測定のみでは肺循環の促進又は抑制も判然しない.
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