Japanese
English
原著
脳循環に關する基礎的研究(動物実験)—脳循環時間の測定に就いて
Fundamental Observation about Cerebral Circulation (Animal Experiments)--Determination of Cerebral Circulatio time
長谷川 恒雄
1
,
靑木 龍夫
1
,
眞島 惠吉
1
,
田崎 義昭
1
,
草刈 定子
1
Tsuneo HASEGAWA
1
1東邦大学医学部相沢内科教室
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Toho University
pp.173-176
発行日 1954年5月15日
Published Date 1954/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200153
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はじめに
我々は脳循環に関する研究の一分野として,犬を用い動物実験による基礎的研究を行いつゝあるが,今回は色素法による脳循環時間測定に関し,我々の試みた測定法を紹介する。
図1は犬の頭部静脈系の解剖略図であるが,之により明かな如く,解剖学的に犬の頭部静脈系は人間とは著しくその趣きを異にし,犬に於てはConfluens sinusに集まつた脳静脈血は横洞(Sin. trans.)を経て,岩鱗洞(Sin. petrososq. )及びS字状洞(Sin. sig.)にわかれた後,外頸静脈及び脊髄静脈により帰流しており,一方内頸静脈は海綿洞(Sin. caver.)より発しているが細小であるとされている。我々の実験に際しても内頸静脈は極めて細小にして採血は不可能であつた。この様に犬に於ては,外頸静脈は脳静脈洞からの直接の主要帰路となつており,更に頭部及び顔面の静脈と合流して頭頸部における最大の静脈となつている。(広田:京都医学雑誌,昭2,24巻,599頁)
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