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講座
先天性心疾患—Ⅳ.總動脈幹の殘存について
Truncus arteriosus communis persistens.
小林 太刀夫
1
,
志場 正光
1
1東京大学医学部美甘内科
pp.141-152
発行日 1954年5月15日
Published Date 1954/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200150
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まえがき
今回は心畸型のうちでも比較的めずらしいとされる総動脈幹の残存に就き,発生病理学的に考察して見たい。従来諸外国においても本畸型の概念或は定義について種々混乱があり,これが正当に把握されたのはやつと近年に至つて心臟の発生学がほぼ確立されてからである。従つてそれまで本畸型として多数報告されていたものも,後の研究者によつて再検討がなされ,その結果現在迄に正しく本畸型と断定されたものは全部で40例に満たないとされている。もとより吾々も実際の剖検例についてこれを論考すべき豊富なる材料を持たないのであるが,吾国においても近時本畸型乃至類似の畸型に遭遇すべき機運にめぐまれて来たので,この機会に一応外国の諸文献を整理し,併せて吾々の考えを述べておくこともあながち無益でないと考え本稿を草した次第である。
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