Japanese
English
綜説
血壓下降劑の腦循環に及ぼす影響
Effects of hypotensive drugs on cerebral circulation.
相澤 豊三
1
,
五島 雄一郞
1
,
田崎 義昭
1
Aizawa Toyozo
1
,
Goto Yuichiro
1
,
Tasaki Yoshiaki
1
1東邦大学医学部相沢内科
pp.20-27
発行日 1954年1月15日
Published Date 1954/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200133
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1.緒言
近時高血壓患者の増加につれて,血壓下降劑の需要が高まりつゝあり,新しい血壓下降劑が次々と出現して來ている。之によつて從來高血壓症の治療として,一般に行われて來た食餌療法,藥物療法等によつてもあまり効果が期待出來なかつた本症に,強力な新たな治療的武器が出現したと云える。近來新たに登場した血壓下降剤にはHexa—methonium,Veratrum Viride,1—Hydrazino—phthalazine (Apresoline),Rouwolfia serpen—tina,Regitine等がある。之等の血壓下降劑は急速に血壓を低下させるもの,緩除に血壓を低下させるもの,或はその作用機序も夫々異る。從つて之等の下降劑を投與した結果,生體の血液動態hemodynamicsの變動の検索は,之等藥劑の作用機序や生體の反應?態を知る上に興味のあることである。
我々の教室では,從來よりN2O環法による腦循の研究を行つているが,血壓下降劑の腦循環に及ぼす影響については,特に關心をもつている。血壓の急速下降時における腦血管緊張の態度を究めることは重要にして興味ある問題であるばかりでなく,更に高血壓症に於ける血壓を降下せしめようとする治療について,適切なる論據を與え得るものであろうと考えられるのである。
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