Japanese
English
特集 環境因子と呼吸器疾患
レアメタルと呼吸器疾患
Rare Metal-related Occupational Lung Diseases
中野 真規子
1
,
大前 和幸
1
Makiko Nakano
1
,
Kazuyuki Omae
1
1慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室
1Department of Preventive Medicine and Public Health, School of Medicine, Keio University
pp.956-962
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200013
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レアメタルとは
金属は,ベースメタル(鉄,銅,亜鉛など)とレアメタルに分けられる.経済産業省は,レアメタルを「地球上の存在量が稀であるか,技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち,現在工場用需要があり今後も需要があるもの」と定義され,図1のようなものがある.今後は,レアメタルの価格が高価で安定し,リサイクル技術が進歩してきているなか,海外資源への依存のみならず,国内に存在する2次原料(レアメタルの回収)の活用を積極的にはかっていくリサイクル工程によるレアメタルの曝露の機会も増すであろう.
労働者の化学物質に対する発がん予防目的の労働安全衛生法で特定化学物質に指定されているレアメタルは,ベリリウム,五酸化バナジウム,クロム酸およびその塩,マンガンおよびその化合物(塩基性マンガンを除く),コバルトおよびその無機化合物,ニッケル化合物(粉状の物に限る),インジウム化合物である.特定化学物質中毒予防規則では,事業者は常時従事する労働者に対し,就業開始時,離職時(配置替え),および常時従事中に年2回の定期健康診断(特殊健康診断)や作業環境濃度の測定をしなければならない.
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