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特集 高血圧治療ガイドライン2014を考える
妊娠高血圧の治療
Treatment of Hypertension in Pregnancy
鈴木 洋通
1
Hiromichi Suzuki
1
1埼玉医科大学腎臓内科
1Department of Nephrology, Saitama Medical University
pp.675-682
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102519
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妊娠高血圧症候群とは
従来妊娠中毒症という言葉が用いられてきたが,2003年に日本妊娠中毒症学会(現在は日本妊娠高血圧学会)から妊娠高血圧症候群という言葉と定義が提唱され,それが日本産婦人科学会と日本高血圧学会でも正式に用いられるようになった1).
妊娠に関連する高血圧の分類を表1に病型分類を表2に示した.この表1をみると妊娠高血圧は妊娠20週以降に,初めて血圧が収縮期血圧で140mmHgあるいは拡張期血圧で90mmHg以上となり,分娩後12週までに正常に復する場合とされており,従来の前子癇が妊娠高血圧腎症とされ,血圧の定義は妊娠高血圧と同じであり,それに蛋白尿(基本的に300mg/日以上)を認める場合としている.さらに加重型妊娠高血圧腎症として,高血圧あるいは蛋白尿のいずれか,あるいは双方が妊娠20週以前既に存在し,妊娠20週以後にそれら双方あるいはどちらかが憎悪する場合としている.表2では,軽症は収縮期血圧で140~159mmHgあるいは拡張期血圧で90~109mmHg,重症は160mmHgもしくは110mmHg以上とし,それに蛋白尿定量による重症判定を入れている.これらの診断基準に基づいて,現在妊婦や胎児の予後がどうなるかの検討が行われている.
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