今月の臨床 妊娠高血圧症候群と関連疾患
妊娠高血圧の治療
北 麻里子
1
,
髙木 紀美代
2
,
菊池 昭彦
2
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
2長野県立こども病院総合周産期母子医療センター産科
pp.1270-1275
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102192
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はじめに
母体にとって妊娠高血圧症候群はいったん重症化すると子癇,脳血管障害,常位胎盤早期剥離など母体合併症を引き起こし母体死亡や後遺症を招く疾患であり,胎児にとっても子宮内胎児発育遅延や胎児機能不全,子宮内胎児死亡となるリスクが高い.妊娠高血圧症候群の治療は,妊娠を終了させることであるが,早期の分娩は児の未熟性を考え厳重な管理のもと妊娠継続が選択される場合もある.
日本妊娠高血圧学会は,妊娠高血圧症候群に対する適正な管理法を示すことを目的に2005年より妊娠高血圧症候群管理・治療・予防のガイドライン作成を開始し,「妊娠高血圧症候群(PIH)管理ガイドライン」(以下「ガイドライン」と略す)1)が2009年4月刊行された.本稿では,ガイドラインで推奨されているPIHの管理法を示しながら(各項目のはじめに囲みで示す),妊娠高血圧症候群の治療について述べる.なお,「ガイドライン」の推奨項目にはそれぞれエビデンスレベルに沿った推奨の基準(グレードAからD)が示されているが,本稿では割愛している.
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