Japanese
English
特集 高血圧治療ガイドライン2014を考える
序文
Impacts of Guidelines for The Treatment of Hypertension 2014(JSH2014)
島本 和明
1
Kazuaki Shimamoto
1
1札幌医科大学
1Sapporo Medical University
pp.619
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102510
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインは,JSH2000,JSH2004,JSH2009と約5年毎に作成され,JSH2014(島本和明委員長)は2014年4月に公表された.JSH2014は,医療機能評価機構Mindsの臨床ガイドライン作成の手引きにできるだけ沿った方針で,さらに本邦の脳卒中が心筋梗塞より多いという疾病構造を背景に,本邦の実状に即したガイドラインを目指して作成された.
JSH2014では,ガイドラインとはその時点での標準的治療を示すもので,医師の処方裁量権を侵害するものではないことを明示し,実地医家のための透明性の高いガイドラインを目指している.さらに,エビデンスの数と質,結論のバラつき,有効性の大きさ,臨床上の適応性,害やコストに関するエビデンスまで加味したevidence based consensus guidelineを目指した.コンセンサス形成の方法として,群集心理によるバイアスの影響や声の大きい委員,権威のある委員が討論・作成に影響を及ぼすバンドワゴン効果やハロー効果を回避するため,基本的には各委員が1人で考える,次いで集団で討論,さらに各委員が1人で考えること,このようなDelphi法を基礎に,nominal group technique(個人の意見を書く,意見を共有,説明,投票),consensus conferenceの3つの要素をすべて取り入れ,高血圧学会方式とも言える新しい合意形成方法で行った.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.