特集 子どものコモンな微徴候・微症状
序文
pp.989-989
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001861
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多くの既往歴や不定愁訴をもつことが多い成人と異なり,小児科を受診する患者は,明らかな症状や所見をもつことが多いです.しかし我々小児科医が子どもの患者を診察する時,「病気までのレベルではない」,「病気とまでは言えない所見や症状」のことも多々あります.昔,何かの折に,症状や所見がそろっている最後に診る医者の診断があたるのは当然で,それまでの微徴候の時に診た医者の診断を責めてはいけない,と教わったことがあります.微徴候のなかに重大な疾患が隠されていることもあれば,軽微な徴候や症状で終わることもあります.もし専門医に紹介しないで適切に処理できれば,「あそこの先生は頼りになる」という評価につながるかもしれません.また,逆に,微徴候から重大な疾患を疑って,専門医に紹介すれば,「あそこの先生は,重い病気をはやく見つけてくれた」と,これまた高い評価につながるかもしれません.微徴候,微症状の診断は,「微」であるが故に難しさを秘めていて,「微妙」でもあります.
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