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はじめに
胸部X線や胸部CT上,両側肺野にびまん性陰影を認める疾患を「びまん性肺疾患」と総称し,「間質」とよばれる肺胞隔壁や小葉間間質に炎症や線維化病変を来す疾患を間質性肺炎と総称する1).原因としては,膠原病やサルコイドーシスなどの全身性疾患に付随して発症するもの,薬剤,職業,放射線治療の副作用,アレルギー,粉塵吸入やサプリメントなどの健康食品など様々あることが知られている.そのなかで原因が特定できないものを「特発性間質性肺炎(IIPs)」として区別しており,2013年American Thoracic Society(ATS)/European Respiratory Society(ERS)のIIPsガイドライン2)では,特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis;IPF),非特異的間質性肺炎(nonspecific interstitial pneumonia;NSIP),特発性器質化肺炎(cryptogenic organizing pneumonia;COP),急性間質性肺炎(acute interstitial pneumonia;AIP),剥離性間質性肺炎(desquamative interstitial pneumonia;DIP),呼吸細気管支関連間質性肺炎(respiratory bronchiolitis-interstitial lung disease;RB-ILD)の6種類と,稀なIIPsとしてリンパ球性間質性肺炎(lymphoid interstitial pneumonia;LIP),pleuroparenchymal fibroelastosis(PPFE)の2種類に分類されている.IIPsは病理組織パターンにより臨床経過や治療反応性が異なることが明らかになっている(図1)1).IIPsのなかではIPFが代表的疾患であり,主に50歳以上で乾性咳嗽や労作時呼吸困難を主訴に発症する.胸部HRCTでは下肺野,胸膜下を中心に網状影や蜂巣肺を呈する.不可逆的に進行する呼吸不全の経過をたどるのが特徴である.
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