特集 今日の呼吸器診療と今後の展望
知っておきたい呼吸器疾患
特発性肺線維症
北村 英也
1
1神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科
キーワード:
特発性肺線維症
,
MDD
,
抗線維化薬
Keyword:
特発性肺線維症
,
MDD
,
抗線維化薬
pp.1445-1449
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1445
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Summary
▪特発性肺線維症(IPF)は,原因不明で慢性かつ進行性の経過をたどり,予後不良の疾患である.病変の進行や呼吸機能低下が年単位で進行する一方で,進行が遅い長期安定例や急速に進行する例まで幅広い疾患スペクトラムをもつ.
▪IPF診断の第一歩は,まず間質性肺炎を疑うことであり,次に原因の特定できる間質性肺炎を除外することである.IPFの診断精度を高めるために,臨床医,画像診断医,病理診断医による集学的検討(MDD)を行う.
▪IPF治療の目標は悪化の抑制であり,疾患管理と合併症管理が重要である.慢性期の抗線維化薬の導入と継続,合併症の管理がカギとなる.
© Nankodo Co., Ltd., 2019