Japanese
English
特集 疾患と運動時低酸素血症
肺高血圧症
Pulmonary Hypertension
重田 文子
1
,
田邉 信宏
1
,
巽 浩一郎
1
Ayako Shigeta
1
,
Nobuhiro Tanabe
1
,
Koichiro Tatsumi
1
1千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学
1Department of Respirology, Graduate School of Medicine, Chiba University
pp.531-536
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102492
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はじめに
肺高血圧症とは,何らかの原因により肺動脈圧が異常に上昇する病態の総称である.肺高血圧症の定義は安静臥位の平均肺動脈圧が25mmHg以上であるが,2013年2月に行われた第5回肺高血圧症ワールドシンポジウムにおいて,肺動脈性肺高血圧症の定義に肺血管抵抗3 Wood Unit以上と肺動脈楔入圧15mmHg以下が加わった.主症状は息切れ・易疲労感・動悸などであるが,これらの症状が労作時のみであることも多い.診察室でパルスオキシメータを用いた動脈血酸素飽和度(SpO2)のみを鵜呑みにすると診断や重症度を誤る可能性があり,6分間歩行検査などの運動負荷試験で運動耐用能低下の有無を判断することは非常に重要である.本稿では肺高血圧症における肺循環動態と運動時低酸素血症の特徴を他疾患と比較しながら述べたい.
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