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特集 利尿薬をめぐる諸問題
利尿薬としてのカルペリチドの意義,有用性,限界性
Role of Carperitide as Diuretics:Effectiveness and Limitation
安村 良男
1
Yoshio Yasumura
1
1国立病院機構大阪医療センター循環器内科
1Department of Cardiology, National Hospital Organization Osaka National Hospital
pp.423-426
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102467
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はじめに
カルペリチド(carperitide)やネシリチド(nesiritide)などのナトリウム利尿ペプチド(NP)は血管拡張作用,神経体液性因子の抑制作用,利尿作用を持つ.そこで,心不全の病態を考慮すれば急性心不全患者の血行動態の改善や予後の改善をもたらすのではないかと期待されてきた.しかし,数多くの新しい急性心不全治療薬がそうであるように,これまでの臨床試験ではNPも急性心不全治療薬として臓器保護効果や予後改善効果は認められていない.しかし,NPの持つこれらの効果は急性心不全のサブグループにおいて,なかでもループ利尿薬抵抗性の症例において,その効果が期待される.本稿ではNPの持つ多面的作用のうち,利尿薬としての効果についてまとめてみたい.
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