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Current Opinion
閉塞型睡眠時無呼吸と認知機能
Neurocognitve Impairment in Obstructive Sleep Apnea
近藤 哲理
1
Tetsuri Kondo
1
1湘南藤沢徳洲会病院呼吸器内科
1Department of Medicine, Shonan-Fujisawa-Tokushukai
pp.82-86
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102391
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閉塞型睡眠時無呼吸と認知機能における最近1年間の全般的な話題
[1] 趨勢
閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)ではうつ状態の発生と認知機能の低下が知られており1),認知機能のなかでもattention(注意),vigilance(警戒),memory(記憶),executive functioning(遂行機能)などのドメインでの障害が著しい.認知機能低下には,OSASにおける間欠的な低酸素と睡眠の分断化が主な役割を果たすとされている.この観点からはAHIで区分したOSASの重症度は必ずしも認知機能低下の程度と相関し得ない.動物実験の知見からは,間欠的低酸素はhippocampusとprefrontal cortexのneuronal lossを伴っており,これらの領域は,memory processとexecutive functionsと密接に関わっている.最近は,OSASに伴う認知機能低下に関するエビデンスの集積と,認知機能低下のドメインに関する詳細な解析,脳の形態変化との関連付け,神経科学分野からのアプローチ,治療による可逆性の有無などについてなどの研究が多く,さらには小児のOSASと認知機能との関係にも関心が払われている.
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