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Current Opinion
高血圧と非薬物的降圧治療(塩分制限から腎アブレーションまで)
Non-medicational Anti-hypertensive Therapy
小川 裕二
1
,
長谷部 直幸
2
Yuji Ogawa
1
,
Naoyuki Hasebe
2
1旭川厚生病院循環器科
2旭川医科大学循環・呼吸・神経病態内科学分野
1Cardiovascular division of Asahikawa Kosei Hospital
2Department of Cardiology, Asahikawa Medical University
pp.87-91
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102392
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食塩制限
[1] はじめに
食塩の過剰摂取が血圧の上昇に関連があることはINTERSALT研究1)などの観察研究やDASH-sodium2)をはじめとする欧米の大規模介入試験にて減塩の降圧効果が示されている.ただし,これらの大規模臨床試験の成績によれば食塩摂取量を6g/日まで落とさなければ有意な降圧効果は達成できず,日本高血圧学会の治療ガイドラインでも減塩目標値を6g/日未満としている.しかし,本邦における平均食塩摂取量は依然10g/日を超えているのが実情である.
減塩に関しての普及活動は以前より勧められているが,一方で問題点も明らかになってきている.一つには包装食品の栄養指示は食塩量でなく,ナトリウム(Na)表示に義務付けられている.実際の食事指導は食塩量(g)で行われているので,Na表示(g)の場合2.54倍にして食塩量表示に換算して指導する必要がある.また,食塩の摂取量を計算は一般医療施設では随意尿(Na/クレアチニン比)での評価が実際的であるが,その信頼性は低い.
本稿では,2012年に日本高血圧学会の減塩委員会から刊行された報告書3)のポイントを中心に減塩療法について概説する.
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