Japanese
English
綜説
呼吸器疾患とオートファジー
Autophagy in Pulmonary Disease
水村 賢司
1,2
,
橋本 修
1
Kenji Mizumura
1,2
,
Shu Hashimoto
1
1日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
2Pulmonary and Critical Care Medicine, Brigham and Women's Hospital, Harvard Medical School
1Department of Respiratory Medicine, Nihon University School of Medicine
2Pulmonary and Critical Care Medicine, Brigham and Women's Hospital, Harvard Medical School
pp.55-60
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102387
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
オートファジーとはリソソームにおける自己細胞質成分分解システムの総称である.オートファジーは細胞が飢餓状態に陥ると誘導され,栄養補給がない状況では自己の一部を分解,再利用してプロサバイバルに働くことが種々の系で証明されてきた1).しかし近年,飢餓だけでなく様々なストレス,ホルモンなどでオートファジーが誘導されることが報告され,オートファジーが疾患の制御,形成に重要な役割を果たすことが明らかになってきている(表1)2).オートファジーは非選択的に細胞質成分の一部を取り込み分解するとされてきたが,オルガネラや病原体などを選択的に分解する選択的オートファジーも疾患に関わる新たなメカニズムとして注目されてきている.本稿ではオートファジーの一般的な細胞内メカニズムから呼吸器疾患への関わりについて最新の知見とともに解説する.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.