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English
連載 呼吸機能障害を来す病態の画像・1
肺高血圧症
Pulmonary Hypertension
西本 優子
1
Yuko Nishimoto
1
1奈良県立医科大学中央放射線部
1Department of Radiology, Nara Medical University
pp.49-54
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102386
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肺高血圧症とは
肺高血圧症は,様々な原因により肺動脈圧が持続的に上昇した病態で,右心不全/呼吸不全が順次進行する予後不良の難治性疾患である1).肺高血圧を主徴とする疾患には,肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension;PAH),慢性肺血栓塞栓症やEisenmenger症候群などがよく知られているが,近年,左心疾患,呼吸器疾患,膠原病など多くの疾患や病態に肺高血圧症が合併することが判明してきた.
2008年の米国ダナポイントで開催された第4回肺高血圧症ワールド・シンポジウムにおいて,安静時の右心カテーテル検査を用いて実測した肺動脈平均圧25mmHg以上を肺高血圧と定義し,さらに肺高血圧症例中で肺動脈楔入圧が15mmHg以下の場合を肺動脈性肺高血圧と定めた.また,肺高血圧症を,その病態や治療法に共通性を有する5種のカテゴリーに大別したダナポイント分類が作成された(表1)2).
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