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特集 疾患感受性遺伝子解析による呼吸器疾患の病態解析
ゲノム解析とCOPD
Genetics of COPD
檜澤 伸之
1
Nobuyuki Hizawa
1
1筑波大学医学医療系呼吸器内科
1Department of Pulmonary Medicine, Faculty of Medicine, University of Tsukuba
pp.914-918
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102317
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はじめに
COPD発症の最大の危険因子は喫煙である.しかしCOPD発症は喫煙者の約15%程度にしか認められない.さらにCOPDや肺気腫は同一家系内に集積する傾向があり,人種によりCOPDの発症率が異なることからもCOPDや肺気腫の発症に遺伝的要因の強い関与が想定される.α1-アンチトリプシン欠損が原因である場合を除き,COPDや肺気腫の発症には複数の遺伝的要因が関与する.親がCOPD患者の場合に,その子供が喫煙をした場合には,一般成人が喫煙した場合に比べて3倍程度COPDになりやすく,喫煙しない場合にはCOPDのリスクは上昇しない.したがってCOPD感受性遺伝子は喫煙によってその発現や機能が大きく影響を受けている可能性が高い.個々の遺伝因子の影響は小さいが,複数の遺伝因子が重なり,そこに喫煙などの環境因子が加わったときにCOPDが発症すると考えられる.
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