Japanese
English
Bedside Teaching
末梢動脈疾患の診療
Medical Treatment for Peripheral Artery Disease
吉牟田 剛
1
,
松尾 汎
2
Tsuyoshi Yoshimuta
1
,
Hiroshi Matsuo
2
1国立循環器病研究センター心臓血管内科血管科
2松尾循環器科クリニック
1Department of Cardiology, National Cerebral and Cardiovascular Center
2Matsuo Clinic
pp.611-617
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101722
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はじめに
末梢動脈の狭窄,閉塞性疾患(peripheral arterial occulusive disease;PAD)の代表である閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans;ASO)は,末梢動脈,特に下肢動脈が動脈硬化性変化により,狭窄や閉塞を来し,間歇性跛行を主とした下肢虚血症状を呈し,重篤な場合は安静時疼痛,下肢壊死,壊疽に至る疾患である.
また,ASOは全身的な動脈硬化性病変の一部分症として捉えられており,脳,頸動脈,冠動脈などの臓器障害を高率に合併する.Aronowらは,ASO患者の58%に冠動脈疾患,34%に脳血管疾患を有していたと報告している1).このように,ASO患者の予後は心血管疾患の発症に影響されるため,非ASO患者と比べて生命予後が極めて不良である.そのため,ASOに対する治療方針は下肢虚血症状の改善のみならず,合併疾患の早期診断,早期治療を行い,心,脳血管イベントの予防を行うことである.
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