Japanese
English
Bedside Teaching
ステント血栓症の現状と課題
Stent Thrombosis after Drug-eluting Stent Implantation
中川 義久
1
Yoshihisa Nakagawa
1
1天理よろづ相談所病院循環器内科
1Department of Cardiology, Tenri Hospital
pp.670-674
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102263
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はじめに
2004年8月から本邦で使用可能となった薬剤溶出性ステント(drug-eluting stent;DES)は,今は臨床の現場では中心的な役割を果たしている.第1世代のDESであるシロリムス溶出性ステント(sirolimus-eluting stent;SES)とパクリタキセル溶出性ステント(paclitaxel-eluting stent;PES)は,冠動脈ステント留置後1年の再狭窄率を10%以下に低下させた.現在の経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention;PCI)においては,SESや,PESは既に使用されることはなく,第2世代DESの使用が大半を占めている.従来の金属製ステント(bare-metal stent;BMS)では問題として認識されていなかった遅発性ステント血栓症や遅発性再狭窄などの遅発性有害事象の発症がDESの問題点として指摘されている.DESは再狭窄を強く抑制するものの,これが血管内皮の修復反応の遅延を来し血栓性閉塞の可能性が高まるとされる.ステント血栓症の予防のためにアスピリンとチエノピリジン系抗血小板剤の併用投与(dual antiPlatelet therapy;DAPT)が主流となっているが,その継続すべき期間については明確な指針は未だない.本稿では,本邦における現状と課題ついて紹介する.
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