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特集 血管内イメージングを再考する
血管内視鏡は何を予測できるのか?
What Can Angioscopy Predict?
松岡 宏
1,2
Hiroshi Matsuoka
1,2
1愛媛県立今治病院循環器科
2愛媛大学医学部
1Department of Cardiology, Ehime Prefectural Imabari Hospital
pp.618-625
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102254
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はじめに
急性心筋梗塞の約70%は冠動脈造影(coronary angiography;CAG)上50%未満の狭窄から発症するという報告がなされ,急性冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)の診断や治療そして予後を考えるうえにおいては,冠動脈の狭窄度だけでなく,プラークの質的診断が重用視されるようになっている.冠動脈内イメージングは,このプラークの質的診断法,CAGの診断能を超えるモダリティーとして開発され,発展してきた.まず,1990年初頭における血管内超音波法(intravascular ultrasound;IVUS)の臨床応用から始まり,最近の光干渉断層法(optical coherence tomography;OCT)まで画期的に進歩を遂げている.しかし,IVUSやOCTは,音(超音波)の反射や光(近赤外線)の屈折率の違いを用いて画像を作成する虚像イメージングであり,生体の血管内壁を直視できる実像イメージングであるのは,唯一,血管内視鏡(coronary angioscopy;CAS)だけである.この血管内壁の実像であるCAS所見が,冠動脈疾患(coronary artery disease;CAD)の診断や治療(経皮的冠動脈インターベンション,percutaneous coronary intervention;PCI)に関して,われわれに何を語っているのか,私見を交えて考えてみたい.
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