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特集 血管内イメージングを再考する
血管イメージングは臨床に何をもたらしたか?
What Have Vascular Imagings Brought to Elinical Cardiology?
廣 高史
1
,
平山 篤志
1
Takafumi Hiro
1
,
Atsushi Hirayama
1
1日本大学医学部内科学系循環器内科学分野
1Department of Cardiovascular Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.605-611
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102252
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はじめに
血管イメージングとは,生体において血管の内腔,壁の状態や血流を画像化する技術の総称である.それまでは,血管の内腔や壁の状態については,剖検や生検を通じた病理診断か,生体では血管造影か血圧や体表面温度などによる間接的推定でないと把握できなかった.最近の診断機器の進歩により,超音波,光,磁気,温度,圧力など多くの物理媒体を利用した実に様々な画像診断が可能になりつつある.侵襲的な診断法として,血管内エコー(IVUS),血管内視鏡,OCT(optical coherence tomography),flow wireやpressure wire,近赤外線スペクトロスコピー,血管内サーモグラフィーなどがあり,一方,非侵襲的なものとしてPWV,stiffnessβ(CAVI),内皮機能(FMD,ENDOPAT),頸動脈エコーなどの血管エコー,MDCT,MRI,PETなどがある.これらのなかでの主だった診断法の臨床的意義については,本稿の後にそれぞれ詳述されるため,本稿ではこれら血管イメージングをまとめてみたときに,それらが臨床に何をもたらしてきたのかを概説するわけであるが,もちろん,これらがもたらしてきたものは計り知れなく大きく一原稿でまとめられるものではない.そこで本稿では,そのなかで①急性冠症候群の病態解明,②エビデンスの構築,③PCIへの貢献の3項目について血管イメージングが臨床にもたらしてきたものの一端について概説したい.
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