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特集 抗凝固薬の新展開
整形外科領域における新規抗凝固薬の適応
Indication of the New Anticoagulant Drugs in Orthopaedic Surgery
冨士 武史
1
Takeshi Fuji
1
1大阪厚生年金病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka Koseinenkin Hospital
pp.410-416
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102212
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整形外科領域における静脈血栓塞栓症
整形外科手術の周術期や外傷治療における肺血栓塞栓症(PTE;pulmonary thromboembolism)と深部静脈血栓症(DVT;deep venous thrombosis)は無症候性のものから生命を脅かすような重篤なものまで一定の確率で生じている合併症である.これらを合わせて静脈血栓塞栓症(VTE;venous thromboembolism)と呼んでいる.このうちPTEの発生頻度は,日本麻酔科学会での2008年の調査では,手術1万件あたり股関節四肢手術で5.71件,脊椎手術で2.74件となっている1).整形外科で多く行われている大腿骨近位部骨折の手術では,307例中9例(2.9%)にPTEが生じたという報告2)もあり,VTEの予防は安全に整形外科治療を行うために必須のものと考えられている.
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