Japanese
English
綜説
気管支喘息のphenotype
Phenotypes of Asthma
玉置 淳
1
Jun Tamaoki
1
1東京女子医科大学第一内科
1First Department of Medicine, Tokyo Women's Medical University
pp.349-355
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102195
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はじめに
気管支喘息は,呼吸器内科の日常診療で遭遇する最も頻度の高い疾患の一つである.その罹患率は世界的にも増加の一途をたどっており,小児では学業の障害,成人では生産性の低下による経済的損失の増大や医療費の増加といった社会問題も指摘されている.近年,喘息の疾患概念は慢性気道炎症として捉えられるようになったが,病態の本質は多くの遺伝素因と環境因子が相互にかつ複雑に関与しており,はっきりとした病因も不明な点が多い.また,喘息の治療についても,吸入ステロイドの普及により病態コントロールは飛躍的に改善したものの,これらの治療薬に反応しない患者群(難治例)も少なからず存在する.そこで本稿では,喘息のphenotypeに関する知見と,現在の喘息治療における残された領域“unmet needs”である重症難治性喘息というphenotypeの臨床的特徴について述べる.
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