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Bedside Teaching
非結核性抗酸菌症の診断と治療
Diagnosis and Treatment of Pulmonary Diseases Due to Nontuberculous Mycobacteria
長谷川 直樹
1
Naoki Hasegawa
1
1慶應義塾大学病院感染制御センター
1Division of Pulmonary Medicine, Centers for infectious diseases and infection control, Keio University Hospital
pp.356-362
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102196
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はじめに
抗酸菌は結核菌群と非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacteria;NTM)に大別されるが,NTMは培養可能な結核菌群とらい菌を除くすべての抗酸菌を指す.NTMはヒトからヒトへ感染しない環境常在菌であり病原性を有するものは稀である.ヒトに感染症を作るものは約50種類が知られているが,結核症と異なりコロナイゼーション,感染,発病の区別が定かでない.わが国では臨床的に検出されるNTMでうち70%がMycobacterium avium complex(MAC),19%がM. kansasiiでそのほとんどがHIV非感染者と考えられる.臨床症状と胸部CTを用いた画像所見が診断のきっかけになることが多いが,確定診断には培養で菌を検出することが必須である.本症を念頭にした治療が診断に先行することはない.2007年に米国呼吸器学会(ATS)と米国感染症学会(IDSA)から合同で新たなNTM診療に関するガイドラインが発表され1),それ以後日本結核病学会と日本呼吸器学会から合同で診断,治療に関するガイドラインが出されている2~5).
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