Japanese
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Current Opinion
低侵襲弁膜症治療―TAVRを中心に
Minimally Invasive Heart Valve Repair: with a Focus on TAVR
丸井 晃
1
,
坂田 隆造
1
Akira Marui
1
,
Ryuzo Sakata
1
1京都大学大学院医学研究科心臓血管外科
1Department of Cardiovascular Surgery, Kyoto University Graduate School of Medicine
pp.1172-1180
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102093
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経カテーテル弁膜症治療をめぐる最近1年間の全般的な話題
高齢化に伴い動脈硬化や弁周囲の石灰化による大動脈弁狭窄(AS)が増加している.重症ASの予後は不良であり,胸痛や失神などを呈するようになると突然死の可能性もある.従来の治療法は開胸による外科的大動脈弁置換術(SAVR)であるが,高齢者のASは合併疾患や加齢による予備機能の低下により,約30%が未治療であることが報告されている1,2).経カテーテル大動脈弁置換術/留置術(TAVR/TAVI)は,人工心肺を用いずにカテーテルで根治的な弁留置を行う治療法のことで,SAVRの実施が困難な重度AS患者への新たな治療選択肢として注目されている.
TAVRは2002年にフランスの心臓血管外科医Cribierにより最初のヒトへの留置が報告された3).その後40カ国以上で5万例以上の植え込み実績が報告されている.現在,Edwards Lifesciences社のバルーン拡張型のSAPIEN(図1)と,Medtronic社の自己拡張型のCoreValve(図2)の2種類が主に使用されており,2007年に両デバイスが欧州のCE(European Conformity)マークを取得している2,4).その後SAPIENは2011年11月に米国で認可されているが,日本では現時点では薬事法未承認であり,承認に向けて準備が進められている.
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